• 展示会コンセプト

アチケンは、福岡県在住のアーティスト3名によるアートユニットです。既存の美的な価値に囚われず、まだ美術と呼べないもの,日常に含まれる魅力的な物を取り上げ、それらを対象に実験的な作品を発表しています。「表現者」というよりも、自分たちを「研究者」と称し、また展示会を「研究発表」という形で、作品を提示するのがアチケンです。私たちは、それぞれの研究成果を、独立した作品として発表しつつ、3人の作品が一つの統一された空間作品になることを目指しています。
「実験室の窓」は、アチケンによる第三回目の企画展です。
今回は窓越しにそれぞれの「研究室」を鑑賞者に覗いてもらおう、というコンセプトのもと、内容を企画しました。三人それぞれが、自分の研究室で,研究テーマを発展させて行きます。実験の前段階としての「仮説」。展示会の第一期「仮説」では、それぞれの研究テーマの初期段階として,発展中の作品を提示します。
次に実験成果をふまえ,「検証」します。展示会期の第二期【検証」では、前段階の作品をさらにヴァージョンアップさせて、結論へ向けた作品を提示します。
それぞれの研究室の、それぞれの研究室の変化を楽しんでもらえれば,と思っています。

「仮説」

第1実験室(安倍智子)

最近、家を借りました。
ひとり暮らしのおじいちゃんが住んでいた家でした。
家には、椅子が残されていました。
家の庭には、たくさんの木や草花が生えています。
たくさんの虫たちもいます。
煙になったおじいちゃんは、雨となって、この庭にも降り注いでいることでしょう。
今日も、人間を含め生きものたちは、成長したり、土に還ったり、生まれたり、ぐるぐる繰り返しています。
第1期~第2期にかけて、そのことを検証していきます。

第2実験室(ナカムラキミヤス)

ポール・セザンヌによりぬりかえられた15世紀のヴィジュアルイメージは、静止した観察者による、数学的に計算された世界観でした。 ピエロ・デラ・フランチェスカは、人物の頭部を描くために、人の頭部に、点を記し、その点の位置を透視図法の上に乗っけることで、正 確な東部の見え方を研究しました。また、プッサンは、風景の中の人物を描くために、小さい箱庭にミニチュアの人形を配置し、大地の上 の人々がどのように展開するのかを精査しました。このような数学的で、科学的なアプローチは、ルネサンス以降の西洋美術を支えてた、 気持ちの良い論理思考と言えます。
ですが、それから500年近く後に、セザンヌは、時間軸、両眼(立体視)を新たなイメージとして、絵画の世界に持ち込みます。精緻 で、正確に思えたルネサンスのアプローチは、生の人間の感覚には程遠く、抜け落ちがあったのです。人は絶え間なく動き、また、その人 間も揺れ動く時間と空間に属するものなのです。
わたしたちが、近年目にする、コンピューターによるグラフィックスは、当然のことながら、15世紀のパースペクティブの理論で産出さ れています。アニメや映画、いろんなところで、「実写かと思った」と思える映像に出会います。が、そのたびに、
「ここに抜け落ちた人の感覚とはなんだろう?」
と考えてしまいます。
すでに美術の世界では、片付いた(?)ことが、今度は、娯楽や生活の中に侵入しているわけです。
①仮説:ルネサンス的なアプローチにより人体を把握する。そこに「空間の揺らぎ」を入れらないか?
②検証:実験により得られたスキルで、より高度な表現は可能か?

こんなこと考えてます。

第3実験室(宮野英治)

今、まわりを見渡すと、大きな災害や事件など、様々な出来事が起こっています。
そんな中でも、目の前にいるウチの子供たちは、日々いろいろなものを獲得しながら成長を続けています。

社会とは何でしょう。社会と個との関係は?
個の集合体として成り立っているものなのか、それとも社会に個が属しているのか。
今回の展示では社会について考えたいと思います。
「MY IMPORTANT THINGS」と題し、見に来ていただいた方から、それぞれの「わたしのたいせつなもの」を 教えてもらいます。
それを集めて並べた時に、現代の社会を考えるヒントが見え隠れするのでは、、、?と仮説を立てました。
ぜひ、第1期で、「わたしのたいせつなもの」を教えてください。
そして第2期で、一緒に現代の社会について検証しましょう。

「検証」

第1実験室(安倍智子)

第2実験室(ナカムラキミヤス)

第3実験室(宮野英治)

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